物事のなぜ――原因を探る道に正解はあるか [本を読む]
因果関係に関するさまざまなアプローチについて考察しているので、因果関係を検証することを考えたり、理屈を考えたりするときの整理に役立ちそう。
本書で述べられている「三面モデル」について、『三面モデルというアプローチを読者に納得してもらうことが本書の目的』と述べられているけれども、正直、これについては100%納得することはできない...。というのは...本書の中の超部分引用になってしまうけれども、
『ただし、因果関係に絶対の確かさを求めることはできない。』し、
『「反論の余地がない」「普遍性がある」「他と置き換えられない」と言い切れる因果性のモデルは、本書で提案するものも含めて、ひとつも存在しない。』し、
『どの因果性のモデルを適用するかは、問いの種類と、検討している具体的な事象の因果の要素によって決まる。』ので、
極端にいってしまえば、因果関係の説明なんて、「ものはいいよう」みたいな気がしないでもないような気がするので...。そういう意味で、「三面モデル」が実用的かというということについて、よくわからなくて、100%納得に至らないので。
と、考えながら書いたけれども..、因果関係の真理を的確に分析できるわけなんかないかもしれない...ので、因果関係について、その議論の歴史やアプローチをまとめた本書はおもしろいと思う次第...。
↓ 目次
はじめに1 歴史から学ぶ 因果性の四つのアプ囗-チ2 三面モデルで考える 因果性を考察するための多重手法3 断定型で考える 「イエス」か「ノー」で考える4 確率型で考える 「発生を促す」「影響を及ぼす」因子5 創発型で考える 非線形のアプローチ6 検証型で考える① 物理科学の場合7 検証型で考える② 生物科学の場合8 検証型で考える③ 疫学の場合9 叙述型で考える 物語から見える真実10 信仰型で考える 信念体系から見える真実11 物事の「なぜ」の探究 三面モデルを適用する謝辞参考文献人名索引詳細目次
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