100年後の世界 [本を読む]
100年後の世界―SF映画から考えるテクノロジーと社会の未来 (DOJIN選書)
- 作者: 鈴木 貴之
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2018/05/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
タイトルから2118年の未来世界を大胆に予想する本かと思ったら、そういうわけではなくて、科学技術の進歩と社会倫理の授業みたい。...と思いながら読み進めたら、「あとがき」にしっかり、「...講義の教科書やゼミのテキストに利用できるはずだ。」と書いてあった。
100年後の世界がユートピアに近づくのか、ディストピアになっていくのかの予想は読者が想像逞しくする必要がありそうにゃ。(何がユートピアで何がディストピアかよくわからないけれども...)
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↓目次序章 なぜテクノロジーの未来を考えるのかこの本の目的いくつかの注意点第1章 子供をつくる 『ジュニア』で考える生殖テクノロジー現在の生殖医療技術:体外受精と代理出産なにが問題になるのか未来の生殖医療技術:再生医療、人工子宮、クローン技術子供を持つための条件?第2章 よりよい子供をつくる 『ガタカ』で考える遺伝子テクノロジー遺伝子研究の歴史すでに利用されている遺伝子診断と遺伝子治療将来の遺伝子テクノロジーにひそむ問題胚選別の是非第3章 生命を創造する 『ジュラシック・パーク』で考えるバイオテクノロジー広く利用されている遺伝子組換えとクローニングさらなる可能性:異種移植、動物工場絶滅動物の復活や新種の創造は可能かヒト以外を対象としたバイオテクノロジーの問題点第4章 薬で頭をよくする 『アルジャーノンに花束を』で考える能力増強テクノロジー利用か広がるスマートードラッグ能力増強テクノロジーの将来能力増強とドーピング能力増強技術の是非第5章 身体を改造する 『ロボコップ』で考えるサイボーグテクノロジーサイボーグ技術の歴史感覚にはたらきかけるサイボーグ技術運動型のサイボーグ技術未来のサイボーグ技術サイボーグ技術がはらむ問題第6章 長く生きる 『永遠に美しく…』で考える不老長寿テクノロジー寿命はどこまで延びているか不老長寿研究の現状不老長寿の可能性不老長寿の是非:社会への影響不老長寿の是非:より本質的な問題第7章 考える機械をつくる 『2001年宇宙の旅』で考える人工知能人工知能研究:二つのブーム三度目のブームか到来した人工知能研究万能ロボットの誕生と特異点の訪れ人工知能を制御できるか人工知能に置き換えられる職業第8章 働く機械をつくる 『ターミネーター』で考えるロボットテクノロジーロボット技術の進展ロボットか普及し、サイボーグ技術と融合する可能性ロボットに任せたい職業、任せたくない職業軍事利用の是非第9章 データを分析する 『マイノリティ・リポート』で考える情報テクノロジー生活に不可欠な情報テクノロジー活用の進むビッグデータ将来の可能性:質的なデータ分析、IOT、行動予測重要さを増す情報の信頼性情報テクノロジーで知性か劣化?第10章 人の心を読む 『ブレインストーム』で考えるマインドーリーディングーテクノロジー人の心を読み取る技術これからのマインド:リーディング技術究極のプライバシーに踏み込むことの意味第11章 薬で幸福になる 『時計じかけのオレンジ』で考える心を操作するテクノロジー気分を操作する薬心をあやつる技術の未来道徳的増強でよりよい人間になれるのか心の操作の是非第12章 別の世界をつくる 『マトリックス』で考える仮想現実テクノロジーリアリティを増す仮想現実技術さらなるリアリティを求めて:統合的なVRからヴァーチャルな人格までVR技術は幸福をもたらすか『マトリックス』とサイファーの問い第13章 テクノロジーをめぐる論争あらためて未来を予測するテクノロジーの進歩をめぐる論争‥肯定派の主張テクノロジーの進歩をめぐる論争‥否定派の主張テクノロジーの進歩をめぐる論争‥その意義終章 テクノロジーは幸福をもたらすか未来のテクノロジーの特徴テクノロジーと幸福あとがき巻末注
物事のなぜ――原因を探る道に正解はあるか [本を読む]
因果関係に関するさまざまなアプローチについて考察しているので、因果関係を検証することを考えたり、理屈を考えたりするときの整理に役立ちそう。
本書で述べられている「三面モデル」について、『三面モデルというアプローチを読者に納得してもらうことが本書の目的』と述べられているけれども、正直、これについては100%納得することはできない...。というのは...本書の中の超部分引用になってしまうけれども、
『ただし、因果関係に絶対の確かさを求めることはできない。』し、
『「反論の余地がない」「普遍性がある」「他と置き換えられない」と言い切れる因果性のモデルは、本書で提案するものも含めて、ひとつも存在しない。』し、
『どの因果性のモデルを適用するかは、問いの種類と、検討している具体的な事象の因果の要素によって決まる。』ので、
極端にいってしまえば、因果関係の説明なんて、「ものはいいよう」みたいな気がしないでもないような気がするので...。そういう意味で、「三面モデル」が実用的かというということについて、よくわからなくて、100%納得に至らないので。
と、考えながら書いたけれども..、因果関係の真理を的確に分析できるわけなんかないかもしれない...ので、因果関係について、その議論の歴史やアプローチをまとめた本書はおもしろいと思う次第...。
↓ 目次
はじめに1 歴史から学ぶ 因果性の四つのアプ囗-チ2 三面モデルで考える 因果性を考察するための多重手法3 断定型で考える 「イエス」か「ノー」で考える4 確率型で考える 「発生を促す」「影響を及ぼす」因子5 創発型で考える 非線形のアプローチ6 検証型で考える① 物理科学の場合7 検証型で考える② 生物科学の場合8 検証型で考える③ 疫学の場合9 叙述型で考える 物語から見える真実10 信仰型で考える 信念体系から見える真実11 物事の「なぜ」の探究 三面モデルを適用する謝辞参考文献人名索引詳細目次
ブロックチェーン技術の教科書 [本を読む]
- 作者: 佐藤 雅史
- 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
- 発売日: 2018/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
教科書って銘打たれていることもあって、斬新なことは書かれてないけれども、よく整理されていて体系的に理解するのに役立つ本。内容はブロックチェーン技術に関して出回っている情報を網羅していて、けっこうな大作になってる。税込 3,056円だけどその価値は十分ありそう。
ブロックチェーンは「インターネット以来の発明」といわれたりもしてるけれども、本書は技術者向けなのか、割と現状の状況を素直な評価するスタンスの印象。
「各企業がブロックチェーンに着目した背景の1つに、凝り固まってしまった従来システムから脱却する方法を模索したいという思いもあると考えられます。」
とか
「ブロックチェーンがもたらすデータの非改ざん性と非中央集権性に着目して、夢のようなプロジェクトが数多く行われていますが、現実には、現時点のブロックチェーン技術は、それらのアプリケーションを実現できるほどの処理性能を持ち合わせていません。」
とか
個人的には、従来技術とブロックチェーンのところで、RDBについて9パージくらいかかれているところをが興味深く、もうちょっと深耕があってもと思ったりだけど、「教科書」の範囲を超えてしまうかな...。(CassandraとかのNoSQLあたりと比較するのもいいかも...?)
↓ 目次
はじめに1.ブロックチェーン・分散台帳とは何か?ブロックチェーン・分散台帳の背景ブロックチェーンの基本2.ブロックチェーン・分散台帳の仕組みブロックチェーン・分散台帳が実現しようとするものブロックチェーン・分散台帳を構成するモデル(役割)台帳に必要な要素とはブロックチェーンの分類3.ビットコインの仕組みビットコインのネットワークとルールProof of Workのメカニズムブロックチェーンの分岐対策4.スマートコントラクトブロックチェーンとスマートコントラクトブロックチェーンにおけるスマートコントラクトの特性スマートコントラクトと外部システムの連携5.従来技術とブロックチェーン電子マネーデータベースPKIとデジタル署名タイムスタンプ技術6.ブロックチェーンの実現可能性ブロックチェーンがもたらすものブロックチェーンでできることブロックチェーンに向かないこと7.ブロックチェーンソフトウェアの例イーサリアムとは?Hyperledger Fabricとは?8.ブロックチェーンを使ってみよう① ~データ共有篇~会議室予約システムを実装するイーサリアムで実装してみようHyperledger Fabricで実装してみよう9.ブロックチェーンを使ってみよう② ~スマートコントラクト有篇~オークションシステムを実装するイーサリアムで実装してみようHyperledger Fabricで実装してみようおわりにサンプルファイルについて索引著者紹介
知識ゼロからのビットコイン・仮想通貨入門 [本を読む]
「知識ゼロからの....入門」ってタイトルだけど...
この手の入門書でブロックチェーンのマイニングの流れとか、技術書的な内容まで踏み込まれてるし、各説明に図(イラスト)がついていて、要点がすごくよくまとまっている。
ブロックチェーンなんてノータッチで出遅れなプログラマとかSEとかの人向けの一般教養的入門書としても良さげ(と勝手に思った。)
個人的に物足りないのは、内容がビットコインに偏ってるところだけど、まぁビットコインが先駆だし、だいたいタイトルがビットコイン...だし、暗号通貨としてみたときのの本質はそんなに変わらないし。
ブロックチェーンなんてノータッチで出遅れなプログラマとかSEとかの人向けの一般教養的入門書としても良さげ(と勝手に思った。)
個人的に物足りないのは、内容がビットコインに偏ってるところだけど、まぁビットコインが先駆だし、だいたいタイトルがビットコイン...だし、暗号通貨としてみたときのの本質はそんなに変わらないし。
量子コンピュータとは何か [本を読む]
量子コンピュータとは...
電子とかは同時に複数の状態(「0」と「1」を同時にとることができるみたいな)をとることが出来るらしい。この状態の重ね合わせを利用して、多数の計算を実行するのが量子コンピュータらしい。
ただし、得意、不得意はハッキリしていて、量子アルゴリズムが考案されている種類の問題を効率よく解くことができるらしい。
https://math.nist.gov/quantum/zoo/
得意分野の代表例が「組み合わせ最適問題」で、組み合わせ最適化問題を解くことに特化したコンピュータがでてきているらしい。よってもって現在は現実的な時間では到底解けない素因数分解を効率よく解くことが出来るらしい。
つまり、素因数分解を瞬時に計算することが可能な「操網」の魔法使いみたいにSSL証明書を破れるようになるかもしれないらしい。
https://dic.pixiv.net/a/カズミ%3Dシュリーレンツァウアー
原理の話は難しすぎて、私にはさっぱりわからないらしい...。
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電子とかは同時に複数の状態(「0」と「1」を同時にとることができるみたいな)をとることが出来るらしい。この状態の重ね合わせを利用して、多数の計算を実行するのが量子コンピュータらしい。
ただし、得意、不得意はハッキリしていて、量子アルゴリズムが考案されている種類の問題を効率よく解くことができるらしい。
https://math.nist.gov/quantum/zoo/
得意分野の代表例が「組み合わせ最適問題」で、組み合わせ最適化問題を解くことに特化したコンピュータがでてきているらしい。よってもって現在は現実的な時間では到底解けない素因数分解を効率よく解くことが出来るらしい。
つまり、素因数分解を瞬時に計算することが可能な「操網」の魔法使いみたいにSSL証明書を破れるようになるかもしれないらしい。
https://dic.pixiv.net/a/カズミ%3Dシュリーレンツァウアー
原理の話は難しすぎて、私にはさっぱりわからないらしい...。
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量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: ジョージ・ジョンソン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/12/09
- メディア: 文庫
目次
はしがき ブラックボックスの中身
序章 なぜ量子コンピュータは注目されているのか
第1章 そもそもコンピュータとは何か1
第2章 コンピュータの仕組み
第3章 量子の奇妙な振る舞い
第4章 コンピュータの限界「因数分解」と量子コンピュータ
第5章 難題を解決するショアのアルゴリズム
第6章 公開鍵暗号を破る
第7章 実現に向けた挑戦
第8章 「重ね合わせ状態の崩壊」に立ち向かう
第9章 絶対堅牢な暗号「量子暗号」
第四早 宇宙一の難問‐-タンパク質折りたたみ・巡回セールスマンーバグ検証
結び 九〇億の神の御名
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